独自技術で様々な騒音問題を手軽に解決する防音パネル

ミノリ・エンジンサイレンサー(MINORI ENGINE SILENCER)開発秘話




MESプロジェクトチーム誕生


我々が社長から集合をかけられたのは、寒さが厳しくなってきた昨年の12月初めだった。

「新戦略検討会」 新しく管理職になった各部門若手を中心に自動車業界以外の異業種分野に参入し事業拡大を目指すと共に、各部門の次代のリーダーを育成するというものだ。

みんなで集まった雑談の中から「自動車で培ってきた自分たちの技術で、自動車部品以外でも何か世の中のお役立ちができないか。どこかで何か困っている人たちの、お助けができないか。快適な生活になるためのお手伝いができないか。」という話が出てきた。



頼もしい外部ブレーンの参加


しかし、自動車部品加工をメインに商売してきた我々にとって、民生品を企画・開発して作って・それを売るなんて事は、未知の分野である。


そこでコンサルタントの先生にご指導いただくことに。
先生のご指導は「三乗工業の出来ることで市場に出せる製品」ではなく、「身の回りの困り事を三乗工業の製品で解決する」であった。メンバー8人それぞれの困り事を抽出することからスタートし、これを一歩一歩詰めていったら、当初のそれぞれの提案から大きく変わって
【小型発電機を静かにする】になった。


自社の強みを活かした製品開発


結局、エンジン音・防音といった我々が日頃慣れ親しんでいる自動車内装部品と似たところに落ち着いた。得意分野が生かせることは、短期で試作品をまとめられることに繋がり、良い方向に向かっている。また、方向性を模索していた段階で東日本大震災が起こり、被災地でのご苦労をみて、一助になればと開発を早くしようと一丸となったのも事実である。

方向性が決まったら、製品開発に伴う補助金獲得も我々のみでクリアしなければならない業務だ。申請資料からプレゼン資料まで何度も修正を繰返し、「これで申請通るのかな?」と思いつつプレゼンまで完了し、結果無事交付決定を得ることができた。今だから笑って話せるけど、プレゼン本番の初めにパソコンが動かなかったのは心底あせった。



本格的に製品開発スタート


本格的に”製品”の開発がスタートした。
まずは市場調査、同じような用途の製品が…ある…が、市場に出回っていないらしい。
とりあえず借りてみた。性能は良い。なぜ、これで売れないのか考えた。出てきた答えは「組立が複雑」「重い」「高価」だった。ならその逆を行けばいい。コンセプトは決まった。
「組立簡単」「軽量」「安価」


構成部品を考える。おかげさまで遮音・吸音材は”売るほど”もっている。しかしながら、騒音測定したところ「これっ!」という素材が決まらない。結局最終決定したのはゴミ箱から見つけてきた吸音材だったのは
リサイクルのパイオニア 三乗工業
らしいところに落ち着いたと思う。



試行錯誤の日々、ひらめきの瞬間


基材の素材は早くから決まった。軽量化のためには薄くする必要がある。面剛性を出すには成形も必要だ。簡易型を作って初期トライ実施。まずは基材を加熱した。見事にクルリと反り返った。誰かが言った「炙ったイカみたい 舟唄じゃねえし…」
基材を改良し、成形形状を検討するために部分的に何度も作り変え、あの頃は夜遅くまでトライを重ねた。イカみたいなもん沢山作ったのに、酒は我慢して…

実際に発電機を掛けて色々実験もした。囲ってしまうと持てなくなるくらい熱くなるし、エンジンも息継ぎを始めだす。ならばと思い切って蓋を無しにした。その分うるさいが、上半分を傾けたら静かになった。高速道路の防音壁、あれだ…





カタチ


実験を基に形状を決めていった。ここで工業デザインさん登場。
コンセプトと実験結果を伝えると、見事な絵にしてきてくれた。
4面台形形状(ピラミッド形状) 構造的・デザイン的・性能的にメンバー全員が「これっ!!」となった。大きく前進したと思った。「もうすぐに売れるんじゃないか」なんて思ったのに、ここで問題発生!斜めになっているので成形・組立が非常に困難なのである。しかし製品コンセプト的には譲れない。なんとかしよう。



難題山積


折りたたみのヒンジ部は、この商品の開発のポイントとなる。図では書けるが、どれも現実性に欠ける。夏休みの宿題と称して皆で休み明けに持ち寄った。その中にどこのホームセンターでも売っているヒンジ状の製品があった。構造はシンプルだけど、我々の用途にマッチしている。アイデア賞ものだ。そのままでも使えそうだが、仮組みしてみると問題点も。ちょっと改良して専用品が必要かな。でも、このちょっとの改良が量産に至るまでには困難を極めるのであろう。





デザインのチカラ


試作品を仕上げにかかっていた頃に、デザイナーさん登場。
製品ロゴを色々提案してもらう。どれもデザインに意味を持たせてくれている。迷った結果我々が選んだのはシンプルなデザインだ。攻めたデザインを選ばなかったのが三乗工業っぽいが、製品に取り付けるとこれがぴったりマッチしていて、自分たちがデザインしたわけじゃないのに天狗になったりしている。




まだまだはじまったばかり


性能がある程度出るのは想像できていた。しかし、性能測定の際に、あらためて発電機を囲った瞬間、エンジン音が静かになった時は感動して涙が出そうになった。

初期の頃、現場にあるもので試作検討していた頃は、商品になるとは考えにくかった。最初の試作品は大きくて重くて…皆のアイデアを集結して、やっと人前に出しても恥ずかしくない形になってきたがまだまだ改良の余地が残っている。展示会に出展し、世間の人の意見を必要であれば取り入れていかねばならない。これからが本当に大変だ。

試作改良はまだまだ続く。

静かさへの挑戦

騒音を少しでも減らし、一つでも多くの笑顔を増やすために。


ミノリ・エンジンサイレンサー(MINORI ENGINE SILENCER)MESプロジェクトメンバー








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